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山本文緒「再婚生活」読了
ほぉ〜〜大変だったんだ・・・
って思って図書館に予約したんだったと思う。
時間を忘れて没頭して、あっという間に読み終わってしまった。
ちょっと悩んでいたことも考える方向性としては正しかったんだなぁ〜なんて自分のことを頭の片隅で考えながら。
再婚生活
山本 文緒
タイトルからすると二人の蜜月生活が描かれていると思いきや全然違うのだ。
「野生時代」に連載されていた山本文緒さんの日記なんだけれど
内容の大部分を占めているのは闘病記といっても過言ではない。
闘病といっても病と闘っているわけではない。彼女の日々の生活、状況が綴られているのだが、病気の苦しみは伝わってくる。
すごく楽観的で何事も前向きにとらえ突き進んでいけるタイプの人には
世の中にはこういう人もいるんだ〜〜
ってことを理解して欲しいって思うし
逆に悲観的にとらえ どこかビクビクしながら 何かことを起こすときに
影で自分を盛り立ててるような人には
おぉ〜〜わかるわかる・・って思っちゃうんだって思う。
私自身は後者なので、あぁ〜一緒一緒・・って思っちゃった。
そこに綴られている文面は彼女自身のものなんだけれど
小説「恋愛中毒」の主人公が頭の中をよぎるほど似ていた。
書いている人が同じなのだからあたりまえといえばあたりまえだけれど
やっぱり作家って自分の中に存在する何かを膨らませて作品つくってるんだろうなぁ〜なんて思った。
前半部分は、仕事をしているような状況じゃないのに仕事しちゃってたので
まぁハチャメチャで驚くようなことばかりが書かれていて
大丈夫かいな?って思いながら読んでいたんだけれど
心のうちのことを綴っている部分には共感できる部分がたくさんあった。
でね、私も相当病んでいるんかいな?って思ったけれど
読み進んでいくと、仕事できないほどの悪化の中断があったりするので
境界領域?
凹み傾向?
ってところかなぁ〜なんてところで落ち着いている。
それにしてもよかったよね〜〜夫が支えてくれて!
無理せず自分のペースで作品を生み出してくださいね〜〜山本文緒さん!
日記の中に記録されている彼女が読んだ本に興味津々!
少しずつ読んでみよ〜〜っと・・・
いろいろ共感したところがあったので¢(ーー;メモシトク・・・
「人恋しいのか違うのか」から
***
手に入っているものが多ければ多いほど、人の気持ちは安定するんだと、私も昔思っていた。だからこそ、(中略)誰かに何かを貰うんじゃなくて、努力をして、私が私にコツコツと恵んできたのだ。
(略)
反感を買うかもしれないが、恵まれているんじゃなくて、私が私に多くのものを恵んできたのだ。
愛情にも金銭的にも、とても飢えていたところから始めたので、いくら恵んでも足りない気がして、余裕がなくて、いつもテンパッていた。そのツケが今頃きたように思えてならない。
***
「生きるってなあに」から
***
(前略)「誰も助けちゃくれないんだな。一人で生きていくしかないんだな。」と改めてしみじみ思った。王子や誰か他の人が私を助けたいと思っても、結局できることってほとんどない。私も人を助けようと思っても、本当のところは何もできない。人は自分で自分を助けるしかない。
でもあれだね、結婚ってゆうのは人を勘違いさせるね。誰よりも近い家族で他人じゃないのだから、王子に甘えれば何とか助かるんじゃないかと無意識に私は勘違いしていたようだ。結婚していたって、闘病も仕事も生活も一人でやるしかないのだ。
そんあふうに気持ちの落ち着きどころを見つけたら、不思議と気持ちが上向きになって、(後略)
***
(前略)そういえば最近あんまり「嬉しい気持ち」になることが少ないなあ、と思った。前はほんのちょっとしたことでも、すごく嬉しいと思っていたのに。たとえばお洒落でもなんでもない雑貨屋で、すごくかわいい薬缶が見つかったり、ラーメンにトッピングしたキムチがすごくおいしかったら、ご機嫌になったはずなのに。感受性まで疲れているのか。なにがそんなに私を疲れさせているんだろう。
***
「今夜、病院に戻りたい」から
***
病院に戻ったとたん元気になって、はりきってラジオ体操まで参加した。家より病院がらくだなんて、まだ自分は病気なんだなぁと実感。
(略)
午後にトリガエル先生の面談があり、年末年始の様子を報告する。すると先生が「まだ外泊するには時期が早かったし、あなたは旦那さんにすごく気を遣ってるんだケロね」と核心を突かれてしまった。けれど先生曰く、やはり正月に気疲れして鬱になる主婦はものすごく多いそう。大人の女性で、正月を心から楽しめている人ってどのくらいいるんだろうと、考え込んでしまったケロ。
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「仕事をするのはもう無理」より
***
(前略)最近王子の時間のルーズさが自分でも過剰だと思うほど気に障る。「明日もちゃんと来るんだかどうだか」と考えてしまっている自分に少し驚いた。私は時間において、王子を疑りはじめているんだと自覚。これから長いはずの結婚生活。それを諦めてゆくんだな、そして自衛していくんだなと思った。振り回されないように。気持ちを乱されないように。
***
「表現すること問いかけること」より
***
(前略)ストレス対策。ストレスは風邪のように万病の素なので。
ストレスはなくそうったってなくなるものではないですよ。たとえれば雨でディズニーランドにいけないようなものなので(このくらいゆるく考えろということ)雨が上がるまでの間、他の楽しいことを見つけて時間を過ごせばいいんです。人間は随分とこの「待つ」ことが苦手でね。生きている間にはみんなが思っているより随分「待つ時間」というのは長いと思うんです。この時間をどういう心持ちで過ごすかによってストレスを軽減できると思いますよ。(後略)
***
とりあげられていた本(小説のみ)
山本文緒『結婚願望』
小倉千加子『結婚の条件』
藤田香織『やっぱりだらしな日記+だらしなマンション購入記』
江國香織『号泣する準備はできていた』
酒井順子『負け犬の遠吠え』
『スプートニクの恋人』
山本文緒『きっと君は泣く』
山本文緒『眠れるラプンツエル』
中山可穂『ケッヘル』
山本文緒『そして私は一人になった』
あはは・・勢い込んで自分のメモ帳のようにしてしまいました。
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